ヘム鉄と非ヘム鉄の違い

ヘム鉄と非ヘム鉄の違いについてもう少し詳しく調べてみましょう。食品成分表だけを見て、むやみに鉄分が多い食材だけを選んで食べていても、効果的ではない場合もあります。

 

・ポイントは吸収率

ヘム鉄と非ヘム鉄の違いは体内での吸収率です。体質にもよりますが、日本食の主食である米に含まれる鉄分の吸収率は2%程度ですが、牛肉に含まれる鉄分の吸収率は優に20%を超えます。

 

動物性食品に含まれる鉄分がヘム鉄、植物や穀物に含まれる鉄分が非ヘム鉄ですから、牛肉や豚肉、魚などからヘム鉄を摂取したほうが、はるかに多い鉄分を吸収出来ることになります。平均的にはヘム鉄の吸収率は非ヘム鉄の5倍から6倍と言われていて、この差は世界的にも立証されています。

 

・非ヘム鉄は吸収が阻害される

非ヘム鉄は植物、穀物に含まれる鉄分ですので、食べ物から摂取する場合には植物繊維やタンニンといった、植物・穀物特有の成分によって吸収が阻害されることがわかっています。

 

また、ヘム鉄はポルフィリンという特有の構造体に取り込まれているのに対して、非ヘム鉄はいわゆるむき出しの状態です。むき出しの鉄分をそのまま大量に吸収すると胃の壁や腸の壁の粘膜を荒らす場合もあり、消化不良や胸焼けなど胃酸過多を起こすリスクもあります。

 

非ヘム鉄は小腸からも吸収しにくく、ほとんどはそのまま大腸を通って排泄されてしまいます。

 

・ヘム鉄は過剰吸収を抑制する

ヘム鉄がそんなにも体内で吸収されやすいとすれば、逆に鉄分摂取が過多になってしまうのでは?と思いますが、実は小腸にはヘムオキシゲナーゼというヘム鉄分解酵素があり、それによってヘム鉄を酸化分解するために過剰摂取を抑制する効果があると言われています。

 

ヘム鉄は酸素と結びつきやすいですが、そのことで同時に自分を酸化分解するわけですね。

 

これによって血液の中に吸収される前に量の調整が行われるので、基本的には過剰摂取はコントロール出来ると言われています。